横浜ソーシャルビジネス支援組織インタビュー vol.1《NPO法人ETIC.横浜ブランチスタッフ 田中多恵さん》


横浜市内には、ソーシャルビジネスの起業支援組織が多様にあります。支援組織をご紹介するシリーズ第1回は、NPO法人ETIC.横浜ブランチ。スタッフの田中さんにお話を伺いました。
(聞き手:株式会社イータウン 代表取締役 斉藤保)

 

斉藤:ETIC.さんは、東京に本拠地を置く起業支援団体ですが、横浜ブランチで取り組まれている事業について教えていただけますか?

 

田中:横浜で、大きな柱となるのは2つの事業です。一つは、5年前から実施している「チェンジメーカーズキャンプ(以下「キャンプ」)」です。対象は、創業から概ね3~5年目の事業者さんで、他の仕事との掛け持ちをしつつも、少しずつ売り上げが立つようになってきた段階から、さらなる成長を支援するものです。

二つ目は「地域未来創造型インターンシップ」です。社会課題へ関心があったり、新しい価値を地域に創出したいとお考えの中小企業に6か月間インターンの大学生を研修生として受け入れてもらっています。

他にイベント事業として、事業者にプレゼンの機会提供する「ヨコハマスープ」や、ソーシャルビジネスフォーラム、中小企業のソーシャルビジネス進出を考えていただくイベントなども開催しています。

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斉藤:そういえば田中さんも、以前はインターン生だったのですよね

 

田中:そうなんです。大学時代にインターンに参加をして、ETIC.を知りました。ETIC.東京では、起業家支援の位置付けでインターンシップ事業を実施していて、受け入れ先は主にベンチャー企業が中心ですが、起業家が成長するタイミングで学生が加わると活力になってベンチャーが大きくなっていく。学生も起業家精神を学べるということです。

横浜では、地域の視点や、プロデューサーシップの要素も入れています。企業インターンで、行政やNPOとの協働や商店街とプロジェクトを実施するなど、起業家精神を育むにはベンチャーもよいフィールドなのですが、地域で協働が起こっている現場も起業家精神を学べる現場です。年間20名くらいの学生がインターンシップに参加しています。

 

斉藤:田中さんは、ソーシャルビジネス支援は5年目ということですが、これまでの手応えを聞かせてください。

 

田中:数社ですが、キャンプで応援した事業者が、インターン生を受け入れるようになってきています。事業者のステージが上がってきた手応えを感じている部分です。

私たちの事業は、プロボノやメンターなど、人を紹介して応援団を増やそうというプログラムが多いんです。そこでご紹介したネットワークを事業に活かしてもらっているのを見ると嬉しいです。

 

斉藤:これまでのキャンプに参加された起業家や実践者の方はどのくらいですか?

 

田中:7年前からの前身となる社会起業塾横浜枠8名も加え、38名です。

忘年会やOBOG会を年2回くらい開いています。そこで意図せず私たちが紹介した人と、その後つながって一緒に仕事をしているという話もあります。また、フェイスブックなどで時々イベントなどの案内が飛び交うことがあります。

創業3~5年で壁にぶつかっている方の突破は、おそらく一人ではできない。仲間をつくり、協働していかなければならないので、その基礎をつくることが、プログラムでできていたらよいと思っています。

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斉藤:ソーシャルビジネスを実践する事業者の方々の共通の課題として、感じるものはありますか?

 

田中:皆さん志をもって始められるんですが、3年くらい経つと、発想が固定化し、だんだん視野が狭くなってくることはありますね。日々を回すのに精いっぱいで、過去の人脈を活かすとか、「こういう提案をあの企業にしてみると突破できるのでは」などの発想がしにくくなってくるように思うんです。3年苦労してきたがためにチャレンジ精神が鈍る時期がある。

そういう状況をまずいと思えている事業者が、キャンプに参加してもらえると効果的だと感じています。改めてチャレンジする原点に戻るということは必要だと思います。

 

斉藤:キャンプへの参加に限らず相談事業などでも、事業者自身が必要とする助言以外で、自分が気づいていない指摘について、客観的視点からの助言として受け入れる姿勢は大事ですね。

 

田中:人の懐に入れる、頼れることも大切。起業家の方は、なんでも出来る方が多いので、頼むのは申し訳ないと抱え込んで、寝る時間を削ってカバーしていこうとなりがち。メンバーをうまく活かせなかったり、メンター的に助けてくれる人をうまく頼れない。孤独な戦いをされていることを感じますね。でもステージアップするには、人の力を借りるとか頼ってみることが必要だと思いますね。

 

斉藤:組織の中で自然とそれをやっている方が長く続いていますよね。「私たち何もわからない素人だから」と、専門家や地域の関係者などいろんな方に頼ったり、SOSを出したりと、仲間づくりを行い、結果的には力を発揮してもらう機会を持てる人がうまくやっていますね。1人で悶々と抱えていると、問題が行き詰ってきます。リーダーの考え方やキャラクターの影響は大きいですが、それだけでは駄目だろうと、それをキャンプではプログラムとしてやっているわけですね。

 

田中:そうですね。きっかけにしてほしいです。協働先と人のマネジメントは大事ですよね。出会いはいろいろあるはずなんですよね。上手な人は「あの人何かある」と思った時には、すぐアポを取って、芋づる式にネットワークが広がり、何かお願いしようということになるのですが、そこでアポ取りに躊躇する人も一定数いて、会ってみると次が見えてくることもあるので、無駄になるかもしれないけれど足を停めないこと。どうせ会ってもと思い留まるのはもったいないです。フットワークの軽さは、ステージアップしていく上では大事ですね。

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斉藤:こういうアプローチだと課題解決に上手くつながる、というようなケースなどはありますか?

 

田中:同じ志を持っている先達に会いに行くのはいいですよね。そんなにオリジナルの事業はないと思うので、日本全国見れば、既に10年取り組んでいるなどのモデル事例が見つかるはずなので、そこを面倒くさがらずに話を聞きに行って師弟関係を結ぶことは、すごく大事だと思うんですよね。

 

斉藤:先輩事業者は時には競合になることもあるかもしれませんが、「勉強してます」とメッセージしていくことですね。お話を伺っていると、スキルとか技術とかいうことよりも、人の関係を丁寧に育くむことが、大事だと感じます。

 

田中:まさに私たちは、そこを一緒に走る中でお手伝いできたらと思っています。人やコミュニティ、一緒に働いてくれる人やステークホルダーに対しても全く同じで、自分が取り組む社会課題について、話す力も求められて、ロジックとエモーションの両方が必要。「その活動を続けていくことが社会課題の解決に向けた1番の近道ですか?」と、問われたときに「解決にはいつかつながるはず。意味のある活動をしているのだから」と、いうだけでは支援が取り付けられないこともある。キャンプでは、自分の事業を客観的に語れるようにするためのゼミも提供しています。

 

斉藤:想いだけじゃない、ということですね。今年もキャンプの募集が始まっていますね。

 

田中:キャンプも毎年、プログラム改定しながら取り組んでいます。今年のキャンプは、テーマを設定して募集しています。少しずつ層が厚くなってきているので、応援してくれるコミュニティができて、私たち自身も動きやすくなってきました。

 

斉藤: ETIC.さんは、応援団を増やすためのスタンスやスキルアップを支援し、きっかけを提供するプログラムを企画運営されていると、お話を伺ってわかりました。ステージアップを目指す事業者さんに、上手く支援プログラムを活用いただきたいですね。今日は、ありがとうございました。

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NPO法人ETIC.横浜ブランチ

次世代起業家の育成とソーシャルイノベーションの創出を目指した人材育成、創業支援等のコンサルテーション事業。「Yokohama Changemaker’s CAMP」「社会起業塾」等のインキュベーションプログラム、地域未来創造型インターンシップの運営等。

連絡先電話番号:03-5784-2115

ホームページはこちら
http://yokohama.etic.or.jp/

Yokohama Changemaker’s Camp 2015

2015年度の募集テーマ

〇募集テーマ(1)
『無理なく働き続けられる地域社会づくり』
メンター:認定NPO法人 あっとほーむ 代表理事 小栗ショウコ氏

〇募集テーマ(2)
『人と人、人と自然が共に生きる未来に貢献するブランドの創出』
メンター:株式会社 新藤 代表取締役社長 藤澤徹氏

募集期間:2015月6月1日(月)~2015年7月5日(日)

プログラム概要や説明会などの情報はこちら
http://socialport-y.jp/?p=7282

 

 


横浜ソーシャルビジネス支援組織インタビュー vol.1《NPO法人ETIC.横浜ブランチスタッフ 田中多恵さん》


横浜市内には、ソーシャルビジネスの起業支援組織が多様にあります。支援組織をご紹介するシリーズ第1回は、NPO法人ETIC.横浜ブランチ。スタッフの田中さんにお話を伺いました。
(聞き手:株式会社イータウン 代表取締役 斉藤保)

 

斉藤:ETIC.さんは、東京に本拠地を置く起業支援団体ですが、横浜ブランチで取り組まれている事業について教えていただけますか?

 

田中:横浜で、大きな柱となるのは2つの事業です。一つは、5年前から実施している「チェンジメーカーズキャンプ(以下「キャンプ」)」です。対象は、創業から概ね3~5年目の事業者さんで、他の仕事との掛け持ちをしつつも、少しずつ売り上げが立つようになってきた段階から、さらなる成長を支援するものです。

二つ目は「地域未来創造型インターンシップ」です。社会課題へ関心があったり、新しい価値を地域に創出したいとお考えの中小企業に6か月間インターンの大学生を研修生として受け入れてもらっています。

他にイベント事業として、事業者にプレゼンの機会提供する「ヨコハマスープ」や、ソーシャルビジネスフォーラム、中小企業のソーシャルビジネス進出を考えていただくイベントなども開催しています。

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斉藤:そういえば田中さんも、以前はインターン生だったのですよね

 

田中:そうなんです。大学時代にインターンに参加をして、ETIC.を知りました。ETIC.東京では、起業家支援の位置付けでインターンシップ事業を実施していて、受け入れ先は主にベンチャー企業が中心ですが、起業家が成長するタイミングで学生が加わると活力になってベンチャーが大きくなっていく。学生も起業家精神を学べるということです。

横浜では、地域の視点や、プロデューサーシップの要素も入れています。企業インターンで、行政やNPOとの協働や商店街とプロジェクトを実施するなど、起業家精神を育むにはベンチャーもよいフィールドなのですが、地域で協働が起こっている現場も起業家精神を学べる現場です。年間20名くらいの学生がインターンシップに参加しています。

 

斉藤:田中さんは、ソーシャルビジネス支援は5年目ということですが、これまでの手応えを聞かせてください。

 

田中:数社ですが、キャンプで応援した事業者が、インターン生を受け入れるようになってきています。事業者のステージが上がってきた手応えを感じている部分です。

私たちの事業は、プロボノやメンターなど、人を紹介して応援団を増やそうというプログラムが多いんです。そこでご紹介したネットワークを事業に活かしてもらっているのを見ると嬉しいです。

 

斉藤:これまでのキャンプに参加された起業家や実践者の方はどのくらいですか?

 

田中:7年前からの前身となる社会起業塾横浜枠8名も加え、38名です。

忘年会やOBOG会を年2回くらい開いています。そこで意図せず私たちが紹介した人と、その後つながって一緒に仕事をしているという話もあります。また、フェイスブックなどで時々イベントなどの案内が飛び交うことがあります。

創業3~5年で壁にぶつかっている方の突破は、おそらく一人ではできない。仲間をつくり、協働していかなければならないので、その基礎をつくることが、プログラムでできていたらよいと思っています。

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斉藤:ソーシャルビジネスを実践する事業者の方々の共通の課題として、感じるものはありますか?

 

田中:皆さん志をもって始められるんですが、3年くらい経つと、発想が固定化し、だんだん視野が狭くなってくることはありますね。日々を回すのに精いっぱいで、過去の人脈を活かすとか、「こういう提案をあの企業にしてみると突破できるのでは」などの発想がしにくくなってくるように思うんです。3年苦労してきたがためにチャレンジ精神が鈍る時期がある。

そういう状況をまずいと思えている事業者が、キャンプに参加してもらえると効果的だと感じています。改めてチャレンジする原点に戻るということは必要だと思います。

 

斉藤:キャンプへの参加に限らず相談事業などでも、事業者自身が必要とする助言以外で、自分が気づいていない指摘について、客観的視点からの助言として受け入れる姿勢は大事ですね。

 

田中:人の懐に入れる、頼れることも大切。起業家の方は、なんでも出来る方が多いので、頼むのは申し訳ないと抱え込んで、寝る時間を削ってカバーしていこうとなりがち。メンバーをうまく活かせなかったり、メンター的に助けてくれる人をうまく頼れない。孤独な戦いをされていることを感じますね。でもステージアップするには、人の力を借りるとか頼ってみることが必要だと思いますね。

 

斉藤:組織の中で自然とそれをやっている方が長く続いていますよね。「私たち何もわからない素人だから」と、専門家や地域の関係者などいろんな方に頼ったり、SOSを出したりと、仲間づくりを行い、結果的には力を発揮してもらう機会を持てる人がうまくやっていますね。1人で悶々と抱えていると、問題が行き詰ってきます。リーダーの考え方やキャラクターの影響は大きいですが、それだけでは駄目だろうと、それをキャンプではプログラムとしてやっているわけですね。

 

田中:そうですね。きっかけにしてほしいです。協働先と人のマネジメントは大事ですよね。出会いはいろいろあるはずなんですよね。上手な人は「あの人何かある」と思った時には、すぐアポを取って、芋づる式にネットワークが広がり、何かお願いしようということになるのですが、そこでアポ取りに躊躇する人も一定数いて、会ってみると次が見えてくることもあるので、無駄になるかもしれないけれど足を停めないこと。どうせ会ってもと思い留まるのはもったいないです。フットワークの軽さは、ステージアップしていく上では大事ですね。

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斉藤:こういうアプローチだと課題解決に上手くつながる、というようなケースなどはありますか?

 

田中:同じ志を持っている先達に会いに行くのはいいですよね。そんなにオリジナルの事業はないと思うので、日本全国見れば、既に10年取り組んでいるなどのモデル事例が見つかるはずなので、そこを面倒くさがらずに話を聞きに行って師弟関係を結ぶことは、すごく大事だと思うんですよね。

 

斉藤:先輩事業者は時には競合になることもあるかもしれませんが、「勉強してます」とメッセージしていくことですね。お話を伺っていると、スキルとか技術とかいうことよりも、人の関係を丁寧に育くむことが、大事だと感じます。

 

田中:まさに私たちは、そこを一緒に走る中でお手伝いできたらと思っています。人やコミュニティ、一緒に働いてくれる人やステークホルダーに対しても全く同じで、自分が取り組む社会課題について、話す力も求められて、ロジックとエモーションの両方が必要。「その活動を続けていくことが社会課題の解決に向けた1番の近道ですか?」と、問われたときに「解決にはいつかつながるはず。意味のある活動をしているのだから」と、いうだけでは支援が取り付けられないこともある。キャンプでは、自分の事業を客観的に語れるようにするためのゼミも提供しています。

 

斉藤:想いだけじゃない、ということですね。今年もキャンプの募集が始まっていますね。

 

田中:キャンプも毎年、プログラム改定しながら取り組んでいます。今年のキャンプは、テーマを設定して募集しています。少しずつ層が厚くなってきているので、応援してくれるコミュニティができて、私たち自身も動きやすくなってきました。

 

斉藤: ETIC.さんは、応援団を増やすためのスタンスやスキルアップを支援し、きっかけを提供するプログラムを企画運営されていると、お話を伺ってわかりました。ステージアップを目指す事業者さんに、上手く支援プログラムを活用いただきたいですね。今日は、ありがとうございました。

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NPO法人ETIC.横浜ブランチ

次世代起業家の育成とソーシャルイノベーションの創出を目指した人材育成、創業支援等のコンサルテーション事業。「Yokohama Changemaker’s CAMP」「社会起業塾」等のインキュベーションプログラム、地域未来創造型インターンシップの運営等。

連絡先電話番号:03-5784-2115

ホームページはこちら
http://yokohama.etic.or.jp/

Yokohama Changemaker’s Camp 2015

2015年度の募集テーマ

〇募集テーマ(1)
『無理なく働き続けられる地域社会づくり』
メンター:認定NPO法人 あっとほーむ 代表理事 小栗ショウコ氏

〇募集テーマ(2)
『人と人、人と自然が共に生きる未来に貢献するブランドの創出』
メンター:株式会社 新藤 代表取締役社長 藤澤徹氏

募集期間:2015月6月1日(月)~2015年7月5日(日)

プログラム概要や説明会などの情報はこちら
http://socialport-y.jp/?p=7282