横浜ソーシャルビジネス支援組織インタビュー vol.3《関内イノベーションイニシアティブ株式会社 代表取締役 治田友香さん》


横浜市内には、ソーシャルビジネスの支援組織が多様にあります。支援組織をご紹介するシリーズ第3回は、mass×mass|関内フューチャーセンターの運営や起業家の育成支援を行っている関内イノベーションイニシアティブ株式会社(横浜市中区北仲通3)代表取締役 治田友香さんにお話を伺いました。(聞き手:株式会社イータウン 代表取締役 斉藤保)

 

斉藤:関内イノベーションイニシアティブ株式会社は、コワーキングスペース、シェアオフィス、ワークショップスタジオが1つとなったワークプレイス「mass×mass |関内フューチャーセンター」の運営や、ソーシャルビジネス創業支援につながる様々な事業を推進していらっしゃいます。現在行っている起業支援メニューを教えてください。

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治田:横浜市委託事業の「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」をメインとして、自主事業「マスマスカレッジ」の一環で、「食と農のプロデューサー養成講座」「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」「実践創業塾」を予定しており、加えてクラウドファンディングFAAVO横浜があります。

 

斉藤:それぞれの特徴を教えてください。

 

治田:「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」(10月21日開講)はmass×mass関内フューチャーセンター立ち上げ当初からの取り組みで5年目、これまでに850名が修了しています。

「食と農のプロデューサー養成講座」(9月24日開講)は2012年からスタートし、食と農分野にイノベーションと雇用をもたらすネットワーク形成やビジネスプランを作り上げる講座です。今回で3期目を迎えます。

「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」(10月14日開講)は、NPO法人森ノオトさんとの共催で初の取り組みとなります。

「実践創業塾」は横浜市特定創業支援事業の認定事業であり、この講座を受講した後、株式会社を設立する方には登録免許税が半額になるなどの特典があります。こちらは来年1月に開講予定です。

FAAVO横浜は、全国で「地域×クラウドファンディング」をコンセプトに社会企業家などを支援するクラウドファンディングを展開しているFAAVOのフランチャイズとして運営を開始した事業です。

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斉藤:「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」の狙いはどんなところですか?

 

治田:ソーシャルビジネスという言葉は、実は日本ではまだきちんと定義されていません。地域課題の解決をビジネスの観点から行う事業者と経済産業省が定義していますが、私たちはそれに加えて、ニートやひきこもり、シングルマザー、障害者、高齢者などの社会的に弱い立場にいる方々の社会参加や雇用促進といった視点が必要であると考えています。社会性メインのボランティア団体的な発想だけでなく、事業性やキャッシュポイントをどう確保するか、行政とどうつきあうのか等ということにも踏み込んでいます。

 

斉藤:これまで取り組まれてきた「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」での印象に残ったエピソードや感じたポイントなどありますか?

 

治田:受講生のうち、一番多い参加者は30から40代のビジネスマンです。そのうち、一番変化したのは、ITなどのベンチャー企業からの参加者ですね。受益者から対価がもらえないものをどのように事業としてデザインするのか、さまざまなアクターから共感を得るかを考えることによって、自分がアプローチすべきコミュニティが明確になっていくのです。これまではマスにアプローチしてきましたら、ニッチな濃いコミュニティを自分でつくる、そこからビジネスをデザインする、という新たな発見が刺激になったという感想をいただいています。

 

斉藤:具体的にはどのようなビジネスプランが生まれてきましたか? またこの講座や支援を通じて、大きな変化があったことなどを教えて下さい。

 

治田:ベンチャー企業に所属するAさんは、自費出版の仕組みを事業計画に落としました。社会的なテーマごとに表紙デザインを固定し、原稿をフォーマットに流し込むことで編集にかかるさまざまなコストを減らすことができるというものです。

大手IT企業を退職したばかりのBさんは、旅行ガイドアプリを開発中です。これまでの「させられる旅行」から「する旅行」への転換を試行錯誤しながら事業化に取り組んでいます。

(参考URL http://www.triphugger.com/

他にも様々な個性的で将来性のありそうな事業プランが生まれだしていますが、いずれのケースも受講生同士での学び合う関係性や高め合う雰囲気などもあり、地域や社会との関わりや事業プランそのものがブラッシュアップされてきていると強く感じますね。

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斉藤:2014年5月からはクラウドファンディングにも取り組まれていますね。

 

治田:クラウドファンディングはfacebookやTwitter、youtubeなどのメディをとおして地元の活動を遠くにいる人にも応援してもらえる市民参加型のいいシステムだと考えています。FAAVO横浜としては、スタート時から累計で8件、約950万円の資金を集めることができました。支援者数は570名となっています。まだクラウドファンディング自体が浸透していない面もありますので、もっと身近なものにしていきたいです。起案者には、適正な目標額やリターン品の設定、レポートの上げ方や頻度、イベントの開催、支援者へのアプローチの仕方など実践的な指導を行っています。クラウドファンディングは、お金を集めるだけでなく、支援者を顕在化させる良い機会にもなっていることを実感しています。

クラウドファンディングは、お金を集めるだけでなく、支援者を顕在化させる良い機会にもなっていることを実感しています。

 

斉藤:クラウドファンディングはさまざまな方法でのPRによってプロジェクトを知ってもらい、プロセスを共有しながら多くの人が関わって応援できるというよさがありますね。

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斉藤:これからソーシャルビジネスを始めようとする人へメッセージをお願いします。

 

治田:ソーシャルビジネスの起業を思いついたらまずは動いてみてほしい。mass×mass|関内フューチャーセンターでは3回までは無料の個別相談も受け付けています。ネット社会のメリットを活かして、自らが注目した地域課題やその解決に当たっている組織について調べてみてください。行政のWEBサイトをみて、地域のデータを取り出してみる。自分のまちの人口とか、高齢化率とか…そういうことを調べることから起業は始まっています。まずは一歩、動いてほしい。

 

斉藤:そうですね。とにかく動いてみることですね。

 

治田:起業しようと思うのは「何か」があったはず、怒りとか疑問とか。それを形にしようと動くことに意味があると思います。実際に達成できる人は少ないかもしれないけれど、それでもチャレンジする人がいないと世の中は良くならない。私たちが起業講座をやり続けているのは、起業家を増やすことだけが目的でなく、何よりも起業することの大変さを知っている人を増やすことも大事だと思うからです。そんな人たちのコミュニティをつくり、共感してくれる人を増やすことも欠かせませんね。

 

斉藤:今できなくても5年、10年後に自分が起業しなくても応援する側になっていくとか、参加する、お金出すなど、さまざまなかかわり方ができますよね。

 

治田:今は、隣近所の人のことも知らない人が多い。講座に参加することが他者や身近な情報を知るきっかけになれば一番いいですね。バーチャルではなく地元で何かするということは逃げ場がなくたいへんなこと。地域で活動しているイータウンさんも尊敬しています。

経済的な価値は小さいかもしれないけれど、継続してやろうとすることは素晴らしいことです。ですから応援してくれる仲間づくりがここでできるといいと思っています。

 

斉藤:昔は家庭とか地域社会で学んでいた当たり前のことが、現代社会では欠落してきていて、人と人との関係づくりなど基本的なことを講座で学ぶ時代になっているように思います。かつての社会生活でえられたことができていない時代になった。最近は原体験をしていない人が多いような気がします。

わたしも実際に動いてみて、イータウンの活動の中で地域に関わっていきながら地域には実にいろんな人がいていろんなことが成り立っているということがわかりました。これから起業しようとする人にとっては講座に参加すること自体も、いろんな人がいることを学ぶことの始まりかもしれませんね。今日はありがとうございました。

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関内イノベーションイニシアティブ株式会社

コワーキングスペース&シェアオフィス“mass×mass|関内フューチャーセンター”の運営やソーシャルビジネスの起業家を育成するスクール事業の企画運営を行う“まちづくり”会社。

連絡先電話番号:045-274-8701 (代表番号)

ホームページはこちら
http://massmass.jp/

現在募集中の講座はこちら

ソーシャルビジネス・スタートアップ講座/2015 後期
http://massmass.jp/project/socialbusiness_startup_2015_2/

 

第3期 食と農のプロデューサー養成講座
http://massmass.jp/project/food_and_agriculture_training_program/


横浜ソーシャルビジネス支援組織インタビュー vol.3《関内イノベーションイニシアティブ株式会社 代表取締役 治田友香さん》


横浜市内には、ソーシャルビジネスの支援組織が多様にあります。支援組織をご紹介するシリーズ第3回は、mass×mass|関内フューチャーセンターの運営や起業家の育成支援を行っている関内イノベーションイニシアティブ株式会社(横浜市中区北仲通3)代表取締役 治田友香さんにお話を伺いました。(聞き手:株式会社イータウン 代表取締役 斉藤保)

 

斉藤:関内イノベーションイニシアティブ株式会社は、コワーキングスペース、シェアオフィス、ワークショップスタジオが1つとなったワークプレイス「mass×mass |関内フューチャーセンター」の運営や、ソーシャルビジネス創業支援につながる様々な事業を推進していらっしゃいます。現在行っている起業支援メニューを教えてください。

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治田:横浜市委託事業の「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」をメインとして、自主事業「マスマスカレッジ」の一環で、「食と農のプロデューサー養成講座」「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」「実践創業塾」を予定しており、加えてクラウドファンディングFAAVO横浜があります。

 

斉藤:それぞれの特徴を教えてください。

 

治田:「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」(10月21日開講)はmass×mass関内フューチャーセンター立ち上げ当初からの取り組みで5年目、これまでに850名が修了しています。

「食と農のプロデューサー養成講座」(9月24日開講)は2012年からスタートし、食と農分野にイノベーションと雇用をもたらすネットワーク形成やビジネスプランを作り上げる講座です。今回で3期目を迎えます。

「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」(10月14日開講)は、NPO法人森ノオトさんとの共催で初の取り組みとなります。

「実践創業塾」は横浜市特定創業支援事業の認定事業であり、この講座を受講した後、株式会社を設立する方には登録免許税が半額になるなどの特典があります。こちらは来年1月に開講予定です。

FAAVO横浜は、全国で「地域×クラウドファンディング」をコンセプトに社会企業家などを支援するクラウドファンディングを展開しているFAAVOのフランチャイズとして運営を開始した事業です。

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斉藤:「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」の狙いはどんなところですか?

 

治田:ソーシャルビジネスという言葉は、実は日本ではまだきちんと定義されていません。地域課題の解決をビジネスの観点から行う事業者と経済産業省が定義していますが、私たちはそれに加えて、ニートやひきこもり、シングルマザー、障害者、高齢者などの社会的に弱い立場にいる方々の社会参加や雇用促進といった視点が必要であると考えています。社会性メインのボランティア団体的な発想だけでなく、事業性やキャッシュポイントをどう確保するか、行政とどうつきあうのか等ということにも踏み込んでいます。

 

斉藤:これまで取り組まれてきた「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」での印象に残ったエピソードや感じたポイントなどありますか?

 

治田:受講生のうち、一番多い参加者は30から40代のビジネスマンです。そのうち、一番変化したのは、ITなどのベンチャー企業からの参加者ですね。受益者から対価がもらえないものをどのように事業としてデザインするのか、さまざまなアクターから共感を得るかを考えることによって、自分がアプローチすべきコミュニティが明確になっていくのです。これまではマスにアプローチしてきましたら、ニッチな濃いコミュニティを自分でつくる、そこからビジネスをデザインする、という新たな発見が刺激になったという感想をいただいています。

 

斉藤:具体的にはどのようなビジネスプランが生まれてきましたか? またこの講座や支援を通じて、大きな変化があったことなどを教えて下さい。

 

治田:ベンチャー企業に所属するAさんは、自費出版の仕組みを事業計画に落としました。社会的なテーマごとに表紙デザインを固定し、原稿をフォーマットに流し込むことで編集にかかるさまざまなコストを減らすことができるというものです。

大手IT企業を退職したばかりのBさんは、旅行ガイドアプリを開発中です。これまでの「させられる旅行」から「する旅行」への転換を試行錯誤しながら事業化に取り組んでいます。

(参考URL http://www.triphugger.com/

他にも様々な個性的で将来性のありそうな事業プランが生まれだしていますが、いずれのケースも受講生同士での学び合う関係性や高め合う雰囲気などもあり、地域や社会との関わりや事業プランそのものがブラッシュアップされてきていると強く感じますね。

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斉藤:2014年5月からはクラウドファンディングにも取り組まれていますね。

 

治田:クラウドファンディングはfacebookやTwitter、youtubeなどのメディをとおして地元の活動を遠くにいる人にも応援してもらえる市民参加型のいいシステムだと考えています。FAAVO横浜としては、スタート時から累計で8件、約950万円の資金を集めることができました。支援者数は570名となっています。まだクラウドファンディング自体が浸透していない面もありますので、もっと身近なものにしていきたいです。起案者には、適正な目標額やリターン品の設定、レポートの上げ方や頻度、イベントの開催、支援者へのアプローチの仕方など実践的な指導を行っています。クラウドファンディングは、お金を集めるだけでなく、支援者を顕在化させる良い機会にもなっていることを実感しています。

クラウドファンディングは、お金を集めるだけでなく、支援者を顕在化させる良い機会にもなっていることを実感しています。

 

斉藤:クラウドファンディングはさまざまな方法でのPRによってプロジェクトを知ってもらい、プロセスを共有しながら多くの人が関わって応援できるというよさがありますね。

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斉藤:これからソーシャルビジネスを始めようとする人へメッセージをお願いします。

 

治田:ソーシャルビジネスの起業を思いついたらまずは動いてみてほしい。mass×mass|関内フューチャーセンターでは3回までは無料の個別相談も受け付けています。ネット社会のメリットを活かして、自らが注目した地域課題やその解決に当たっている組織について調べてみてください。行政のWEBサイトをみて、地域のデータを取り出してみる。自分のまちの人口とか、高齢化率とか…そういうことを調べることから起業は始まっています。まずは一歩、動いてほしい。

 

斉藤:そうですね。とにかく動いてみることですね。

 

治田:起業しようと思うのは「何か」があったはず、怒りとか疑問とか。それを形にしようと動くことに意味があると思います。実際に達成できる人は少ないかもしれないけれど、それでもチャレンジする人がいないと世の中は良くならない。私たちが起業講座をやり続けているのは、起業家を増やすことだけが目的でなく、何よりも起業することの大変さを知っている人を増やすことも大事だと思うからです。そんな人たちのコミュニティをつくり、共感してくれる人を増やすことも欠かせませんね。

 

斉藤:今できなくても5年、10年後に自分が起業しなくても応援する側になっていくとか、参加する、お金出すなど、さまざまなかかわり方ができますよね。

 

治田:今は、隣近所の人のことも知らない人が多い。講座に参加することが他者や身近な情報を知るきっかけになれば一番いいですね。バーチャルではなく地元で何かするということは逃げ場がなくたいへんなこと。地域で活動しているイータウンさんも尊敬しています。

経済的な価値は小さいかもしれないけれど、継続してやろうとすることは素晴らしいことです。ですから応援してくれる仲間づくりがここでできるといいと思っています。

 

斉藤:昔は家庭とか地域社会で学んでいた当たり前のことが、現代社会では欠落してきていて、人と人との関係づくりなど基本的なことを講座で学ぶ時代になっているように思います。かつての社会生活でえられたことができていない時代になった。最近は原体験をしていない人が多いような気がします。

わたしも実際に動いてみて、イータウンの活動の中で地域に関わっていきながら地域には実にいろんな人がいていろんなことが成り立っているということがわかりました。これから起業しようとする人にとっては講座に参加すること自体も、いろんな人がいることを学ぶことの始まりかもしれませんね。今日はありがとうございました。

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関内イノベーションイニシアティブ株式会社

コワーキングスペース&シェアオフィス“mass×mass|関内フューチャーセンター”の運営やソーシャルビジネスの起業家を育成するスクール事業の企画運営を行う“まちづくり”会社。

連絡先電話番号:045-274-8701 (代表番号)

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http://massmass.jp/project/socialbusiness_startup_2015_2/

 

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