横浜ソーシャルビジネス事業者レポート ≪カフェらいさー 村上孝博さん≫


市営地下鉄吉野町駅から徒歩数分の通り沿い、ガラス張りの路面店「カフェらいさー」は、米粉パンの専門店だ。グルテンフリーパンの扱いもあり、遠方からもお客さんがやってくる。店主の村上さんは、横浜市経済局のソーシャルビジネス支援講座や相談事業を含む起業支援を複数活用し、現在のビジネスを立ちあげた。

起業に至るまで

村上さんは、過去に銀行や信用組合に勤務し、自動車メーカーへの出向で定年退職を迎えた。65歳までは継続勤務も出来たが母親の介護のために60歳で退職した。母親の他界後、コミュニティビジネスについて知ったことがきっかけで、銀行や自動車メーカーの勤務経験を活かした起業を志す。テーマを特に定めないまま、まず6か月の職業訓練講習を受講した。講習では介護や農業といったテーマに加えて、パンやケーキづくりの実習があり、村上さんは米粉パンと出会う。米粉利用は、米の自給率を高めることに貢献できる。しかし、米粉パンや米粉シフォンケーキは、取り扱う事業者がまだ少ない。村上さんは、パンづくりの経験を積むため、プロ向けの米粉パン教室へも通い、1年ほどパンとシフォンづくりの練習を重ねる。

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多様な支援リソースを活用した起業

最初からコストがかさむ店舗を構えるのはリスクが大きい。村上さんは、職業訓練講習を主催していたセンター事業団に相談し、事業団が経営する高齢者施設の一角の使用していない時間を週に数日借りる協力を取り付ける。試験的なパン製造と販売が始まった。同時に、横浜市経済局のソーシャルビジネス起業支援講座を受講し、コミュニティカフェ開設を学んだ。講座で学んだ「人をつなぐカフェ」というコンセプトが、現在の店舗名につながっている。

講座で得た人脈を活かし、村上さんは様々なソーシャルビジネス関連イベントにも積極的に足を運び、さらに起業支援者や起業を志す仲間のネットワークを広げ、関係を深める。それは、コミュニティカフェでの定期販売や、マルシェ出店の機会へとつながり、2013年に、現在の店舗「カフェらいさー」を開店させる。店内には1つだけテーブルを置き、パンと飲物を食べられるようにもした。

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商品のこだわりと地域へのひろがり

村上さんのパンはきび糖を使用し、シフォンケーキは、きび糖、米油、豆乳など、できるだけ植物性の食材を使い、添加物は不使用だ。プレーンパンは、新潟の農家がつくる品種改良前の原種に近いコシヒカリの米粉を82%使用している(惣菜パンは新潟製粉使用)。通常の米粉パンはコスト面から米粉30~50%使用が多い。しかし、カフェらいさーでは、とにかく食べてもらいたいという思いで価格は抑え気味にしている。小麦不使用を期待する顧客ニーズに対応して、2016年からはグルテンの代わりに澱粉を使用したグルテンフリーパンの注文販売も始めた。米の自給率向上を意識した米粉パンの店は、地元小学生の学習素材としても貢献しており、小学生たちが取材に来て、学校内で米を育て、その米でシフォンケーキをつくるというプログラムにも協力している。

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アクティブシニアの起業モデルを目指して

店の経営が一定落ち着いてくると、自分の起業経験が、同様に起業をめざすシニアや主婦の参考になるということにも気が付いた。今後は、シニアが出会いや生きがいを求めて活躍する時代、何もしない方が不健康でもある。元銀行マンで融資担当、自動車メーカーでは原価計算も行っていた村上さんは、アクティブシニアに起業を勧めるためのビジネスモデルとして自らの事業を位置付け始めた。メディアでの紹介記事を見て、相談に来る人も出ている。店舗に置かれたテーブルは、そうした起業相談の場としても使われている。

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組織概要

カフェらいさー
http://www12.plala.or.jp/raiser/

米の自給率向上を目指す米粉パンとシフォンケーキの店舗。茅ヶ崎の野菜なども販売している。アクティブシニアや主婦の起業モデルとして起業の相談にも対応。

所在地:横浜市南区日枝町4-97-2グレイス南太田104
取材:2016年8月


横浜ソーシャルビジネス事業者レポート ≪カフェらいさー 村上孝博さん≫


市営地下鉄吉野町駅から徒歩数分の通り沿い、ガラス張りの路面店「カフェらいさー」は、米粉パンの専門店だ。グルテンフリーパンの扱いもあり、遠方からもお客さんがやってくる。店主の村上さんは、横浜市経済局のソーシャルビジネス支援講座や相談事業を含む起業支援を複数活用し、現在のビジネスを立ちあげた。

起業に至るまで

村上さんは、過去に銀行や信用組合に勤務し、自動車メーカーへの出向で定年退職を迎えた。65歳までは継続勤務も出来たが母親の介護のために60歳で退職した。母親の他界後、コミュニティビジネスについて知ったことがきっかけで、銀行や自動車メーカーの勤務経験を活かした起業を志す。テーマを特に定めないまま、まず6か月の職業訓練講習を受講した。講習では介護や農業といったテーマに加えて、パンやケーキづくりの実習があり、村上さんは米粉パンと出会う。米粉利用は、米の自給率を高めることに貢献できる。しかし、米粉パンや米粉シフォンケーキは、取り扱う事業者がまだ少ない。村上さんは、パンづくりの経験を積むため、プロ向けの米粉パン教室へも通い、1年ほどパンとシフォンづくりの練習を重ねる。

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多様な支援リソースを活用した起業

最初からコストがかさむ店舗を構えるのはリスクが大きい。村上さんは、職業訓練講習を主催していたセンター事業団に相談し、事業団が経営する高齢者施設の一角の使用していない時間を週に数日借りる協力を取り付ける。試験的なパン製造と販売が始まった。同時に、横浜市経済局のソーシャルビジネス起業支援講座を受講し、コミュニティカフェ開設を学んだ。講座で学んだ「人をつなぐカフェ」というコンセプトが、現在の店舗名につながっている。

講座で得た人脈を活かし、村上さんは様々なソーシャルビジネス関連イベントにも積極的に足を運び、さらに起業支援者や起業を志す仲間のネットワークを広げ、関係を深める。それは、コミュニティカフェでの定期販売や、マルシェ出店の機会へとつながり、2013年に、現在の店舗「カフェらいさー」を開店させる。店内には1つだけテーブルを置き、パンと飲物を食べられるようにもした。

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商品のこだわりと地域へのひろがり

村上さんのパンはきび糖を使用し、シフォンケーキは、きび糖、米油、豆乳など、できるだけ植物性の食材を使い、添加物は不使用だ。プレーンパンは、新潟の農家がつくる品種改良前の原種に近いコシヒカリの米粉を82%使用している(惣菜パンは新潟製粉使用)。通常の米粉パンはコスト面から米粉30~50%使用が多い。しかし、カフェらいさーでは、とにかく食べてもらいたいという思いで価格は抑え気味にしている。小麦不使用を期待する顧客ニーズに対応して、2016年からはグルテンの代わりに澱粉を使用したグルテンフリーパンの注文販売も始めた。米の自給率向上を意識した米粉パンの店は、地元小学生の学習素材としても貢献しており、小学生たちが取材に来て、学校内で米を育て、その米でシフォンケーキをつくるというプログラムにも協力している。

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アクティブシニアの起業モデルを目指して

店の経営が一定落ち着いてくると、自分の起業経験が、同様に起業をめざすシニアや主婦の参考になるということにも気が付いた。今後は、シニアが出会いや生きがいを求めて活躍する時代、何もしない方が不健康でもある。元銀行マンで融資担当、自動車メーカーでは原価計算も行っていた村上さんは、アクティブシニアに起業を勧めるためのビジネスモデルとして自らの事業を位置付け始めた。メディアでの紹介記事を見て、相談に来る人も出ている。店舗に置かれたテーブルは、そうした起業相談の場としても使われている。

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組織概要

カフェらいさー
http://www12.plala.or.jp/raiser/

米の自給率向上を目指す米粉パンとシフォンケーキの店舗。茅ヶ崎の野菜なども販売している。アクティブシニアや主婦の起業モデルとして起業の相談にも対応。

所在地:横浜市南区日枝町4-97-2グレイス南太田104
取材:2016年8月